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復興へ向け、施策を展開(復興事業計画の重点施策) (中編) 「東日本大震災・いわき市復興のあゆみ2014」記録誌及びDVD(平成27年3月11日発行) | いわき市役所

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(1)

③ 体験型経済教育施設「Elem(エリム)」がオープン

  市 は 平 成26(2014)年5月、 体験型経済教育施設「Elem

(エリム)」を、市文化センター 近くの平字堂根町にオープン させました。(写真6-(3)-2)  「Elem( エ リ ム )」 と は、 アラビア語で「教育」を意味 します。

 同施設は、カタール国が東 日本大震災の被災地復興プロ ジェクトに対して資金の援助

を行う「カタールフレンド基金」の支援を受けて開設した教育施設です。

 子どもたちは、公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本と市教育委員会が協働で実施する体験型経 済教育プログラムの「スチューデント・シティ(小学校5年生向け)」と「ファイナンス・パーク(中学 校2年生向け)」を通じて、社会や仕事の仕組みを体験することができます。(写真6-(3)-3)

 両プログラムとも、学校の教育課程に位置付けられた、正規の授業として実施します。

④ 子どもたちに安心して遊べる屋内施設を提供

 市は原子力発電所事故の影響で外出を控え、屋外の遊び に不安を持つ保護者や子どもたちに安心してすごしてもら おうと、市内3箇所に屋内遊び場を設置しており、大勢の 子どもたちに利用されています。(写真6-(3)-4)

【設置場所】

○北部地区 海竜の里センター内「いわきっず るんるん」

○中部地区 石炭・化石館内「いわきっず もりもり」

○南部地区 南部アリーナ内「いわきっず ふるふる」

(4) 原子力災害対策  

 福島第一原子力発電所の事故に伴う放射線被害に対しては、市は実施主体である福島県の方針に基づき、 市民の放射性物質による内部被ばくの実態を把握するとともに、自己の健康に役立てていただくことを目 的として、平成23(2011)年11月からこれまで、内部被ばく検査などを実施してきました。

① 放射線内部被ばく検査

ア 平成25年度までの検査結果

 ホールボディカウンターによる内部被ばく検査については、福島第一原子力発電所の事故当時、いわき 市に住民登録があった方を対象として、1回目の検査を、順次、対象地区や対象年齢を拡大して行いました。  平成25(2013)年度末までに、内部被ばく検査対象者34万5,471人のうち、受検したのは6万5,235人

(受検率18.9%)で、検出限界値(測定して検出できる最小値)を下回った方は6万4,170人と、全体の 98.4%でした。(表6-(4)-1)

 また、検出された1,065人(1.6%)の方も、預託実効線量(内部被ばくによる累積線量/成人は50年後、 子どもは70歳までを、それぞれ想定)は健康に影響がないとされている1ミリシーベルト未満でした。

■写真6-(3)-2 エリム外観 〔平成26(2014)年

6月 いわき市撮影〕 ■写真6-(3)-3 エリム2階のスチューデント・シ ティで学ぶ子どもたち(菊田小学校)〔平成 26(2014)年6月 いわき市撮影〕

■写真6-(3)-4 石炭・化石館内に開設された「いわきっず  もりもり」〔平成25(2013)年3月1日 いわき市撮影〕

(2)

イ 平成26年度の検査状況

 平成26(2014)年度の検査については、4 月末までに1回目の検査が終了したことか ら、5月から2回目の検査を実施していま す。(写真6-(4)-1)

 検査対象者は、これまでの、事故当時い わき市に住民登録があった方に加えて、検 査日時点においていわき市に住民登録があ る方となり、12月末日時点で、28,933人 の方が受検されました(全員、預託実効線 量1ミリシーベルト未満)。

 なお、検査は引き続き実施していますので、検査を希望さ れる方は、内部被ばく検査予約専用電話(27-8562)にお申 込みのうえ、検査を受けてください。

② 甲状腺の検査

ア 県民健康調査「甲状腺検査」

(ア) 先行検査(1回目の検査)の一次検査結果

 県民健康調査「甲状腺検査」の一次検査の結果は、平成 26(2014)年10月31日現在、対象者6万2,289人のうち、受 診者は4万7,918人で、受診率は76.9%となっています。

 また、受診者のうち、検査結果が確定した4万7,820人の判定内容は、A1判定が2万1,059人(44.0% )、 A2判定が2万6,332人(55.1% )、B判定が429人(0.9% )となっており、C判定については、該当者はいませ んでした。(表6-(4)-2)

 なお、先行検査は、本格検査の案内通知が送付されるまで受診可能です。まだ受診されていない方は、 県立医科大学放射線医学県民健康管理センター (024-549-5130)までお問い合わせください。

(イ) 先行検査(1回目の検査)の二次検査結果

 二次検査の結果については、平成26(2014)年10月31日現在、対象者429人のうち、受診者は394人で、 受診率は91.8%となっています。

 また、受診者のうち、悪性ないし悪性疑いと診断された方は21人で、一次検査受診者に対する割合は   項目

年度 受検者数

 預託実効線量

1mSv未満 うち不検出 平成23 3,100 3,100(100%) 2,754(88.8%) 平成24 43,457 43,457(100%) 42,870(98.6%) 平成25 18,678 18,678(100%) 18,546(99.3%) 計 65,235 65,235(100%) 64,170(98.4%) 注) mSv=ミリシーベルト。

■表6-(4)-1 年度別受検者数の推移

■写真6-(4)-1 ホールボディカウンターによる内部被ばく 検査〔平成26(2014)年6月 いわき市撮影〕

■表6-(4)-2 先行検査(1回目の検査)の一次検査結果(平成26年10月末現在)          項目

都市名 対象者数 受診者数 受診率 結果確定数

判定結果(上段:人数/下段:割合)

A1 A2 B C

いわき市 62,289 47,918 76.9% 47,820 21,059 26,332 429 0 99.8% 44.0% 55.1% 0.9% 0.0%

福島県 367,686 296,586 80.7% 296,253 152,633 141,379 2,240 1 99.9% 51.5% 47.7% 0.8% 0.0% 福島県外3市

(弘前市・甲府市・長崎市) 4,365 4,365 100.0%

4,365 1,853 2,468 44 0 100.0% 42.5% 56.5% 1.0% 0.0% A1判定 = 結節やのう胞を認めなかったもの。

A2判定 = 5.0mm以下の結節や20.0mm以下ののう胞を認めたもの。 B判定  = 5.1mm以上の結節や20.1mm以上ののう胞を認めたもの。 C判定  = 甲状腺の状態などから判断し、直ちに二次検査を要するもの。

(3)

0.04%となっています。(表6-(4)-3)

■表6-(4)-3 先行検査(1回目の検査)の二次検査結果(平成26年10月末現在) 項目

県市名

二次検査 対象者数

二次検査

受診者数 受診率

結果確定数 悪性ないし

次回検査 通常診療等 悪性疑い

A1 A2 うち細胞診受診者

いわき市 429 394 91.8% 380 20 121 239 83 21

96.4% 5.3% 31.8% 62.9% - 0.04% 福島県 2,241 2,051 91.5% 1,985 116 557 1,312 519 108 96.8% 5.8% 28.1% 66.1% - 0.04%

(ウ) 本格検査(2回目の検査)の実施について

 市民の甲状腺検査の本格検査(2回目の検査)については、平成27(2015)年度に実施されることとなっ ています。市内の小・中・高等学校に通われている方については各学校で、それ以外の方については、市 内の公共施設や協定を締結した県内及び全国各地の検査実施機関で検査が実施されます。

イ 県民健康調査「基本調査」

 原発事故から4か月間の外部被ばく線量を推計する県民健康調査「基本調査」については、平成 26(2014)年10月31日現在、調査対象者34万8,226人に対し、回答数は8万6,983件で、回答率は25.0%と なっています。

 推計期間が4 ヵ月未満の方を除いた推計結果については、放射線業務従事経験者を除く7万422人のう ち、99.1%にあたる6万9,779人の方が、実効線量1ミリシーベルト未満となっています。(表6-(4)-4)

■表6-(4)-4 県民健康調査「基本調査」の回答状況(平成26年10月末現在) 項目

県市名 対象者数 回答数 回答率 線量推計済数 推計率 結果通知済数 通知率

いわき市 348,226 86,983 25.0% 82,780 95.2% 80,014 92.0% 福島県 2,055,383 553,418 26.9% 531,691 96.1% 512,194 92.6%

③ 食品など放射性物質の検査 

ア 食品 

 市内の公立および私立の保育所や幼稚園、学校におけるそれぞれの給食、市内で製造された加工食品や 市内に流通する食品を対象とした放射性物質の検査については、平成24(2012)年から随時実施してきま した。

 その結果、平成24年度分の結果については、いずれも検出限界値未満(不検出)、あるいは基準値以下 であり、いずれも健康に影響を与える数値ではないとされている1ミリシーベルトを大きく下回りました。  平成25年度分の結果については、加工食品の1件を除き、いずれも検出限界値未満(不検出)、または 基準値以下でした。

 加工食品で検出された基準値超過の1件については、販売前の段階で検査を実施したため、流通してい ません。

 平成26(2014)年4月1日から平成27(2015)年1月31日までの結果については、いずれも検出限界値未 満(不検出)、または基準値以下でした。(写真6-(4)-2、表6-(4)-5)

(4)

■表6-(4)-5 平成26年度における食品などの放射性物質検査結果(平成27年1月31日現在)  項目

事業名

検体数(件)

検査結果 備考(検査結果の最大値と健康に影響を

与えるような数値ではないとされる1ミリ シーベルトとの比較)

不検出(件) 基準値以下(件) 基準値超過(件) 最大値

保育所給食

(食材検査) 4,143 (99.7%)4,131   (0.2%)11      (0.1%)1      -

食材提供前日の詳細検査で独自基準値を 超えて検出された1件については、給食食 材として使用せず。市独自基準値はセシ ウム合算値20Bq /㎏

保育所給食

(調理後検査) 683 (99.4%)679 (0.6%)4    - レル/㎏0.44ベク

検出値が0.44ベクレル/㎏の給食を毎日、 200g、1年間食べ続けた場合の例で示す と、0.0003ミリシーベルト(3-7歳)

(食材検査)学校給食 11,749 (99.9%)11,745 (0.1%)4    - -

基準値以下については、簡易検査で10ベ クレル/㎏を超えたものである。それに ついて詳細検査を実施した結果は、すべ て市独自基準値(セシウム合算値20ベ クレル/㎏)未満でした。

(調理後検査)学校給食 348 (100%)348 (0%)0    - -

(流通食品検査)加工食品 472 (97.2%)459 (2.8%)13 (0%)0 28ベクレル/㎏

検出値が28ベクレル/kgの食品を毎日・ 10g・1年間食べ続けた場合の例で示すと、 0.0011ミリシーベルト(3 ~ 7歳)

イ 飲料用井戸水等

 生活に欠くことのできない飲料水のうち、飲料用井戸水など については、平成24(2012)年1月から検査を実施しており、平成 26(2014)年12月末現在で、1,777件すべてが検出限界値未満(不 検出)でした。

ウ プール水

 市内の公立小・中学校および公立幼稚園のプール水については、 検査の結果、検体数121施設(362件)中、2施設で放射性セシ ウム137がわずかに検出されましたが、いずれも基準値(水道水 の管理目標値=放射性セシウム10ベクレル/㎏)以下で、福島県 生活環境部原子力安全対策課放射線監視室からは、「プールを利 用するうえで、問題となる数値ではない」と報告されています。  市内の公立および私立保育所や児童館のプール水については、

平成26(2014)年6月から同年7月にかけて実施。検体数48施設(49件)のいずれも、昨年度に続き検出限 界値未満(不検出)でした。 

④ 安全確認のため、市内農産物や一次農産加工品をモニタリング検査

ア 基準値を超えた場合は、出荷制限へ

 平成25(2013)年度のいわき産農作物安全確認モニタリング検 査では、市内農業者が出荷する農作物や一次農産加工品、合わせ て6,474件を測定しました。(写真6-(4)-3)

 この結果、基準値である1kgあたり100ベクレル以下であった 検体が、全体の99.97%を占めました。同100ベクレルを超えた のは全体の0.03%、2検体で、いずれも出荷の自粛要請を行いま した。(図6-(4)-1)

■写真6-(4)-2 ゲルマニウム半導体検出器による 食品等の放射性物質検査 〔平成26(2014)年6月  いわき市撮影〕

■写真6-(4)-3 出荷農産物を測定検査・分析 〔い わき市撮影〕

(5)

 同じく平成26(2014)年4月から同年12月末の検査結果では、測定検体5,789件中、同100ベクレルを超 えた検体はありませんでした。

 農産物の出荷制限などについては、原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)が県に対して行っており、県・ 市が出荷の自粛要請した農産物を含め、平成26年12月31日現在で野生キノコ、露地の原木ナメコ、野生 タラノメなど8品目が出荷制限となっています。

 出荷制限などの解除にあたっては、いずれも一定期間、市町村の複数箇所で検査結果のすべてが基準値 以下となり、解除指示を受けることが必須となります。

 検査品目やその検査結果、採取地などの情報について、市のホームページ「見せます!いわき情報局」 で見ることができます。

イ 検査体制

 平成26(2014)年度もこれまで同様、いわき産農産物の透明性を高め、その信頼回復を図るため、引き 続き市内二つのJAと連携して検査(市内6か所)を実施し、消費者などに対して、安全・安心の判断材 料の提供に努めています。

⑤ 自家消費用作物などの放射能簡易検査

ア 市内14か所の検査場所で測定

 市は、出荷または販売などを目的としない自 家消費用の作物について、平成25(2013)年度は 市内21か所の検査場所にて、6,551件を測定し ました。この結果、基準値である1kg当たり100 ベクレル以下であった検体が、全体の91.5%を 占めました。同100ベクレルを超えたのは全体 の8.5%、555検体でした。基準値を超えた作物 で多かったのは、シイタケ214件、イノシシニ ク86件、タケノコ53件などでした。

 なお、平成26(2014)年4月から、検査場所を 21か所から14か所に統合し、4月から12月末の 検査結果では、測定検体3,162件中、同100ベク レルを超えたのは全体の10.66%、337検体で、 シイタケ109件、イノシシニク47件、タケノコ 41件などで検出されました。

 また、平成27(2015)年3月には、非破壊式放射能測定機器を14か所に導入し、検査の利便性向上を図 ることとしています。

イ 検査体制

 引き続き、市内14か所で自家消費用作物などの放射性物質検査を実施しており、検査結果等の情報に ついて、市公式ホームページで公開しています。

⑥ 安全・安心へ向け、引続き本格除染を実施

ア 市除染実施計画≪第3版≫を策定し、実施へ

 市は除染を早急に着手する必要から、政府が策定した「除 染に関する緊急実施基本方針」に基づき、平成23(2011) 年9月の文部科学省の航空機モニタリング結果などを参考 に、同年12月に市除染実施計画≪第1版≫を策定しました。 平成24(2012)年1月には、「放射性物質汚染対処特措法」

が施行されたことに伴い、市は、平成25(2013)年3月に市 ■写真6-(4)-4 除染の実施状況〔平成26(2014)年9月 いわ き市撮影〕

10Bq/kg未満 6,137 (94.79%) 10~50Bq/kg以下

328 (5.07%)

50100Bq/kg以下 7 ( 0.11%)

100Bq/kg以上

[基準値以上] 2 (0.03%)

基準値以下 (99.97%)

検体数 6,474

■図 6-(4)-1 いわき産農作物安全確認モニタリング検査の結果

(6)

除染実施計画を改定(≪第2版≫)し、比較的線量の高い川前、久之浜・大久、小川、四倉の北部4地区 の住宅およびその周辺、さらには子どもにとって身近な生活空間となる保育施設や教育施設などについて、 優先して除染を実施してきました。(写真6-(4)-4)

 このようななか、平成24(2012)年度から着手した北部4地区の住宅除染が、仮置場の確保に困難を極め、 全体的な工程計画に遅れが生じたことから、実施期間を平成28(2016)年度まで1年延長することや除染方 法等を実状に沿って一部見直したことにより、既存の計画を改定し、平成26(2014)年10月に市除染実施 計画≪第3版≫を策定しました。

イ  子どもの生活環境(保育・教育施設、都市公園)の進ちょく状況 (ア) 保育・教育施設は平成25年度までにすべて完了

 平成23(2011)年度は、全施設の清掃・洗浄作業に加え、緊急的に園庭・校庭などの四隅および中央の 5地点における放射線量の平均値が、毎時0.23マイクロシーベルト以上の施設を対象に、園庭・校庭の表 土除去などの除染を実施しました。

 また、平成24(2012)年度は、学校等敷地内の任意の5地点における放射線量の平均値が、毎時0.23マイ クロシーベルト以上となった施設について除染を実施し、平成25(2013)年度末までにすべて完了しました。 (イ) 都市公園は平成26年度までにすべて完了

 平成23(2011)年度は都市公園のモニタリング調査を実施し、放射線量の高い公園の除染を優先に実施 しました。平成24(2012)年度には、市が管理するすべての公園でモニタリングを行い、比較的放射線量 が高かった四倉、久之浜・大久地区における10公園の除染を実施し、平成25(2013)年9月に完了しました。  また、平成25年度に改めてモニタリングを行い、対象とした142公園について除染を実施し、平成 26(2014)年度中にすべて完了する予定です。

ウ  住宅除染の進捗状況

 平成23(2011)年度に川前地区の特に線 量が高い5軒の除染(主に表土除去)を先 行して実施し、平成24(2012)年度には市 除染実施計画に基づき、市内で比較的線量 が高い、川前、久之浜・大久、小川、四倉 の北部4地区の除染に着手しました。  住宅除染は1軒ごとに居住者や所有者と の個別協議を行いながら進める必要がある ことや、除染の進ちょくに密接に関わる仮 置場の確保に困難を極め、想定以上に時間 を要したことから、進ちょくに遅れが生じ ましたが、北部4地区の住宅除染について は一部地域を残し、平成26(2014)年度内 におおむね完了しました。平、好間地区に つきましても、平成26年2月から事前モニ

タリングを開始し、平成27年度内に対象となるすべての 住宅の除染が完了する予定です。(図6-(4)-2)

エ 除去土壌等の仮置場の状況

 既に除染が完了している北部4地区の除去土壌などの仮 置場は、平成26(2014)年12月末時点で合計34か所となっ ています。(写真6-(4)-5)

 なお、今後除染を実施する区域の仮置場が不足している ことから、引き続きその確保に努めていきますが、当面、 敷地内の現場保管によって除染を進めます。

■図6-(4)-2 住宅除染の実施状況

■写真6-(4)-5 仮置場の状況

(7)

オ 子どもの遊び場除染を実施

 除染実施区域内の保育施設、教育施設、公園などの「子どもの生活環境」の除染は、市除染実施計画に 基づき、最優先に実施してきましたが、除染実施区域外にある施設や通学路においても、局所的に線量が 高い、いわゆるホットスポットが存在する状況にあります。

 これらのホットスポットについても、放射線量の低減を図り子どもたちが安心して遊べる環境を取り戻 すため、福島県線量低減化支援事業補助金を活用して「子ども遊び場除染事業」を実施しております。 カ 今後の予定

 今後は、平成27(2015)年度 に内郷・三和・遠野・田人地区、 平 成28(2016)年 度 に 小 名 浜・ 常磐・勿来地区の除染実施区域 内の住宅除染を実施していく予 定であります。

  ま た、 道 路 除 染 は、 平 成 26(2014)年度に久之浜・大久 地区のモデル除染を実施し、そ の他の地区についても順次実施 していきます。(表6-(4)-7)

(5) 小名浜港周辺の一体的な整備・再生

① 市復興のシンボルとしての位置づけ

 東日本大震災により甚大な被害を受けたアクアマリンパークや漁港区、既成市街地をはじめとした小名 浜港周辺地域の一体的な整備・再生は、物流の拠点である小名浜港の再生はもとより、産業・観光振興の 拠点として、さらには、市の復興のシンボルと位置付け、国・県・民間事業者等と連携し、積極的に取り 組むこととしています。

 なお、この重点施策「小名浜港周辺地域の一体的な整備・再生(プロジェクト)」は、重点施策「津波 被災地域の復興に向けた土地利用(プロジェクト)」(11ページに記述)と関わりを持つものです。

② 小名浜港背後地に係る復興整備計画

 小名浜港背後地においては、土地区画整理事業により都市計画道路平磐城線(通称鹿島街道)を臨港道 路まで延伸するとともに、福島臨海鉄道貨物ターミナルを移転し、その移転跡地である都市センターゾー ンの土地利活用については民間開発の導入を図ることとし、民間事業者公募に向けた広報・PR活動など を実施しながら、平成22年11月には「小名浜港背後地開発ビジョン」を策定しました。さらに、東日本 大震災後の平成23年11 ~ 12月に民

間事業者の公募を行い、都市センター ゾーンの開発事業協力者に選定したイ オンモール㈱と平成24年1月31日に

「開発事業協力者に関するパートナー 基本協定」を締結しました。

 その後、市と同社は協働で、地元ま ちづくり団体や各地域の商店会などと 協議を重ね、平成26年4月には「開発 事業計画」を策定するとともに、「開 発事業の実施に関する基本協定」を締

   項目

場所 実施地区 実施予定

住宅除染 内郷、遠野、三和、田人 平成27年度

小名浜、常磐、勿来 平成28年度

事 業 所 北部4地区、平、好間、内郷、遠野、三和、田人 平成27年度

小名浜、常磐、勿来 平成28年度

道  路 市道、国道、県道など 平成26 ~ 28年度

※除染実施区域内に限ります。

■表 6-(4)-7  今後の除染予定

■図6-(5)-1 小名浜港および背後地の復興イメージ図

(8)

結。正式な開発事業者に決定した同社は複合商業施設の建設に向けた具体的な手続きを開始しました。(図 6-(5)-1)

 また、当該地周辺の基盤整備については、震災復興土地区画整理事業と併せて津波復興拠点整備事業等 を活用し、民間施設と調整を図りながら、再度津波が発生した場合においても、都市機能を維持するため の拠点となる市街地の整備を進めます。(表6-(5)-1)

■表 6-(5)-1 主な基盤整備事業の概要

事業名 内容

震災復興土地区画整理事業 貨物ターミナルの移転、都市計画道路や区画道路の整備、県庁舎の移転など

津波復興拠点整備事業 ペデストリアンデッキや交通ターミナル、ポケットパークの整備、国庁舎の移転など

③ 小名浜魚市場の整備について

 本市においては、原発事故の影響により、沿岸海域におけ る漁業の操業自粛や水揚げ可能な回遊性魚種等に対する風評 被害が発生するなど、深刻な状況にあります。

 このようななか、新たな小名浜魚市場は、本市水産業の拠 点施設として、本市の水産業が復興するため、施設の集約化 や衛生面の強化を図るとともに、超低温の冷蔵機能を備えた 鮮度保持施設などと一体的な整備を行うことにより、水揚げ から出荷に至るまでのすべての過程において、衛生管理の強 化、作業の効率化、さらには品質管理の高度化等を図ること

を目的に、公募により決定した福島県漁業協同組合連合会を事業主体とし、平成24(2012)年度から整備 を進め、平成27(2015)年3月26日から供用を開始する予定です。

 新たな魚市場の特徴は、衛生管理の強化に加え、製氷や貯氷設備を備えるほか、アクアマリンパークに 隣接していることから、立地条件を活かし、水産物の入札風景の見学スペースを設けるなど、周辺施設と の連携も視野に入れています。

(6) 再生可能エネルギーを核とした産業振興

① 浮体式洋上風力発電の実証研究事業

 市は、継続的な雇用の確保や創出を図る観点から、太陽光、風力、木質 バイオマスなど、再生可能エネルギー関連を中心として産業振興を図るこ ととしています。

 このうち、市は、国・県と連携しながら、福島県沖で進められている浮 体式洋上風力発電(ウインドファーム)の実証研究事業を契機として、同 発電に関する関連企業の誘致や関連産業の集積に取り組んでいます。  実証研究事業の具体的な内容としては、平成25(2013)年度から同 27(2015)年度までの期間中、国内初の本格的な実証実験により、実用化 に向けた基礎データの取得、安全・経済性などの検証、漁業との共生可能 性の調査などを実施することとしています。

 平成25年度事業として、浮体式洋上風力発電の風力施設「ふくしま未来」

(2メガワット風車1基)を福島県沖合20㎞付近に設置。同年11月から実 証実験事業として運転を開始しており、環境や漁業への影響を調査してい ます。(写真6-(6)-1)

 また平成26(2014)年度においては、世界最大級の7メガワット級風力発電

■写真6-(5)-1 1号埠頭に整備した小名浜魚市場   〔福島県漁業協同組合連合会提供〕

■写真6-(6)-1 福島県沖に設置された 浮体式洋上風力発電の風力施設「ふ くしま 未 来 」〔 平 成26(2014)年8月  福島洋上風力コンソーシアム提供〕

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